こんにちは!せきれい歯科クリニックの院長 太田です。
今回は、智歯周囲炎についてお話ししていきます。
親知らずは一番奥に生えてくる第三大臼歯のことで、顎の骨の中に生えるスペースが不足しがちです。まっすぐ生えずに斜めに生えたり真横のまま歯ぐきの中に埋まっていることもあります。そのため、他の歯に比べて痛みを生じたり様々なトラブルを起こしやすい環境ができてしまうのです。
親知らずに痛みを感じるときは、3つの可能性があります。
まず一つは萌出時(生えてくる時)の痛み、そしてむし歯の痛み。三つ目が、智歯周囲炎による痛みです。
〇智歯周囲炎とは?
親知らずが痛む原因のひとつに、智歯周囲炎があります。智歯周囲炎とは、親知らずまわりの組織の炎症です。むし歯とは異なり、歯そのものには症状は生じません。
親知らずが斜めに生えたり生えかけの段階で、歯と歯ぐきの間に深い歯周ポケットが形成されることがあります。この歯周ポケットの中で細菌が繁殖すると、急性あるいは慢性の炎症を生じるのです。智歯周囲炎は上顎よりも下顎に起こりやすく、10代~30代の若い方によくみられる症状です。
〇智歯周囲炎の症状
智歯周囲炎の症状には、以下のようなものがあります。
・歯ぐきが腫れる
・歯ぐきから膿が出る
・触れると痛みを生じる
・ものを飲み込むときに痛みを生じる
・口が開けにくくなる
・顎の下のリンパ節が腫れる
・発熱や全身の倦怠感を引き起こす
智歯周囲炎になると、このように様々な症状が段階的にあらわれます。免疫力が低下している時や、体調がよくないときに特に症状がみられることが多いようです。
これらの症状がさらに悪化して重症化すると、「頬部蜂窩織炎(きょうぶほうかしきえん)」とよばれる疾患に発展します。炎症が広範囲に及ぶと、腫れが顎の下から首のほうにまで広がり、水を飲めないほどに腫れたり膿むようになります。
〇智歯周囲炎の治療
軽症の場合は、まず腫れている歯ぐきを洗浄し、抗菌薬を内服して安静にします。痛みがある場合は、鎮痛剤も内服します。膿がたまり膿瘍ができてしまった場合には、歯ぐきを切開して膿を出す必要があります
これらの処置で炎症がおさまったとしても、一度炎症を起こした親知らずは繰り返し炎症を起こすことが多くあります。そのため、症状がよくなり腫れや痛みがおさまったら、抜歯を検討しましょう。
〇智歯周囲炎を予防するには
智歯周囲炎を予防するには、親知らずのまわりを清潔に保つことが非常に重要です。歯ブラシの毛先が細かい部分にまでしっかり届くように工夫し、デンタルフロスやワンタフトブラシといった補助清掃用具も効果的に活用していきましょう。
また、疲れやストレス、免疫力の低下も智歯周囲炎の発症の原因となります。日頃から規則正しい生活を心がけるようにしましょう。
◯まとめ
智歯周囲炎は一度発症すると何度も繰り返すため、予防が大切です。毎日の丁寧な歯磨きや規則正しい生活を心がけることはもちろんですが、どうしても管理が難しい場合は抜歯を検討することも一つの手段でしょう。
親知らずのことでお悩みのある方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
せきれい歯科クリニック
問い合わせはこちらから
お電話:0566-73-4188
WEB:https://www.sekirei-dent.jp/contact/