親知らずを抜⻭した際に起こりうる偶発症は?

こんにちは!せきれい⻭科クリニックの院⻑ 太田です。

手術や治療を行ったことで起こりうるトラブルを偶発症と呼びます。今回は、親知らずを抜⻭した時に起こりうる偶発症について、詳しく解説していきます。

○抜⻭によって起こりうる偶発症は?

親知らずの抜⻭によって偶発症が起こることは稀なので、極端に恐れなくても大丈夫です。とはいえ、一定の確率で起きており、ゼロではありません。偶発症が起きた原因の多くは、器具や抜⻭による圧迫です。

○偶発症を起こしやすい症例は?

【下あご:神経と親知らずの根が近い場合】
・神経の損傷による感覚麻痺
下あごの抜⻭を行ったことによって、唇・⻭ぐき・⻭の感覚麻痺が起こる可能性があります。ごく稀ですが、舌麻痺(味覚障害や感覚消失)の症状が、数ヶ月〜1 年程度出てしまう可能性もあります。特に、神経と親知らずの根が近い場合に起こりやすい症例です。

【上あご:上顎洞底線と親知らずの根が近い場合】
・上顎洞の穿孔
上顎の抜⻭を行ったことによって、⻭が上顎洞に入り込んだり、穴が開いたりする可能性があります。その場合は、摘出や閉鎖処置を行います。小さな穴であれば自然治癒することもあり得ます。骨が薄くて⻭根が上顎洞底線と近い場合に起こりやすい症例です。

【その他の偶発症】
・ドライソケット
骨に炎症が起こり、強い疼痛が 2 週間程度続く可能性があります。自然治癒力に不具合がある場合に起こりやすい症例です。

・⻭や修復物の損傷
他の⻭や⻭の修復に使われている材料を傷めてしまう可能性があります。

・出血
日常的に服用している薬の種類によっては、手術中や手術後に、⻭を抜いた傷口からの出血が継続してしまう可能性があります。その場合は、止血処置を行います。

・皮膚の変色
顔面や首筋の皮膚が、内出血によって変色する可能性があります。⻘・紫・⻩色などに変色しますが、2 週間程度で元の皮膚の色になります。

・開口障害
1〜2 週間程度、口が開きづらくなる可能性があります。

・化膿
ごく稀ですが、免疫力が低下している場合に化膿する可能性があります。

・知覚過敏
抜いた⻭に隣接する⻭が知覚過敏になって、神経の炎症が起こる可能性があります。

○偶発症が起こった場合はどうする?

偶発症が起こった場合は、⻭科医院が適切な処置を行いますので、安心してください。帰宅後に発症した場合などは、後日に処置を行います。経過観察もしくは高次医療機関へ紹介することもあり得ます。いずれの場合も、⻭科医師がお口の中の状態を確認して判断します。偶発症は、正常な検査や治療を行なっていても、一定の頻度で起こるものです。医療過誤とは異なります。治療中や治療後にお口の中や体調に異変を感じたら、すぐに⻭科医師やスタッフに伝えましょう。

○まとめ
ごく稀ですが、親知らずの抜⻭でも偶発症が起こる可能性はあります。その際には、⻭科医師がお口の中の状態を確認して、適切な処置を行います。恐れることはありませんが、可能性がゼロではないことだけ、知っておきましょう。当院でも親知らずの抜⻭を行なっております。お気軽にお問い合わせください。

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