こんにちは!せきれい歯科クリニックの院長 太田です。
今回は、インプラントの寿命と残存率についてお話しします。
インプラントとは、何らかの原因で歯を失った場合に歯を補うための治療方法の一つです。歯を失った箇所の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上から人工歯を被せます。天然歯と同じような審美性、機能性、耐久性をもつことが、最大のメリットです。この治療を検討なさるときには、「どのくらいもつのか」ということが気になる方も多いのではないでしょうか。
〇インプラントの寿命と残存率
治療をしたインプラントが一生もつ、という保証は残念ながらありません。インプラントには寿命が存在し、それはインプラント体とよばれる人工歯根が顎の骨に残存している期間のことを指します。厚労省の調査によると、インプラントが10年~15年残存する確率は上顎で約90%、下顎で約94%程度という報告されています。また、当院で取り扱いのあるストローマン社のインプラントを用いて行われた調査では、インプラントの10年生存率(インプラントが抜け落ちずに残っている)が98.8%であり、さらにその10年後もインプラント周囲炎が起こらずに口腔内にインプラントが残存している確率は97%であったという報告もあります。
これらを踏まえても、一般的なインプラントの寿命は10年~15年であるといえます。入れ歯は4年~5年、ブリッジは7年~8年程度の寿命であるため、これらに比べるとインプラントの寿命は長いといえるでしょう。ただし、この寿命は適切なセルフケアとメンテナンスを行った場合の数字であり、ケアを怠るとインプラント周囲炎などにより早く寿命を迎えてしまうこともあります。
〇インプラントの寿命を延ばすには
インプラントの寿命を延ばすために最も重要なことは、インプラント周囲炎を発症させないことです。インプラント周囲炎とは、清掃不良などが原因でインプラントを支えている顎の骨が溶けてしまう疾患で、歯周病と似たような症状をもちます。最悪のケースではインプラントが抜け落ちてしまうこともあるため、特に気をつけなければなりません。当院で取り扱いのあるストローマン社のインプラントは、インプラント周囲炎を発症する確率が低く、10年生存率が高いことが大きな特徴です。インプラントそのものの質が良いものを選ぶということに加え、患者様ご自身でのセルフケアや定期的な歯科医院でのメンテナンスを徹底することが、インプラントの寿命を延ばすためには欠かせません。
さらに、近年の研究では喫煙によりインプラントの成功率が低くなり、寿命も短くなることが明らかになっています。たばこに含まれるニコチンが血液の流れを阻害することで歯ぐきに悪影響を及ぼす、喫煙により唾液の分泌量が減少するなどの理由から、インプラント周囲炎を生じるリスクが高くなるのです。そのため、インプラントの治療をご検討なさる際には、禁煙をおすすめすることもあります。
〇まとめ
今回は、インプラントの寿命と残存率についてご紹介しました。インプラントの治療後は毎日の丁寧なセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスを徹底し、インプラントを良い状態で長く維持できるようにしましょう。
当院では、日本口腔外科学会の認定医がインプラントの治療を担当いたします。患者様お一人おひとりに合わせた最適な治療をご提案いたしますので、ぜひ当院へお越しください。
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